ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

『はじまりへの旅』 

期待値が高すぎたからイマイチ自分が乗り切れなかった。ウェス・アンダーソンノア・バームバックっぽい映画を期待してたから「それほどでも…」っとなってしまった作品。ただ、ノーム・チョムスキーが好きすぎる家族で笑った。あと、3女が動物の解剖らしきことをする部屋にポル・ポトのブロマイドらしきものが貼ってある。そんなブラックジョークにも笑った。

主人公のベンは先鋭化したナチュラリスト無政府主義者、6人の子供のお父さん。獲物は狩猟によるもので、水は雨水(湧き水もあるか)、住まいや衣類はDIY、収入は手作りしたもので得ている。小さな暮らしを実践しており、福島にあるヒッピー村とかを思い出したりした。

山暮らしをするため、子供たちへ日々のトレーニングを課している(ロッククライミングなど度が過ぎる)。また、勉強として哲学書、古典文学なども読ませている。

文学についてコメントを言わせるシーンに震え上がった。ベン「それは、あらすじを言ってるだけだ」。その物語が示唆するものを答えよということなのか、単純な感想で良いのですか?「興味深い」これ禁句。恐ろしい世界だ。

心を病んで自殺した妻(母)の葬儀に向かう旅で山暮らししか経験してなかった子供たちが外の世界を知る。勉強はできるし、運動も得意。だけど、他者と接する機会がなかったから社会性がない。それを子供達も父親も知っていく。

父親は義理の両親とぶつかっていくことや子供達に起こるトラブルを通して、気づきを得ているようだった。隔絶された山での自然暮らしがいいとは限らない。

単純に縄文人弥生人になったみたいなストーリーだなって思った。