ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』

石井裕也=映像美って印象はなかったのだけど、今作は映像に惹かれた。 街の明かりがある都会の夜を青と赤、田舎の夜を黒で、朝日を白で表現。陳腐な演出と言われそうな気もしたけど、それぞれの色使いが良かったと思う。もう1度見ないとわからないけど、登場人物の心の機微に合わせて色の演出をしてた気もする。

 

看護師として働く傍ら夜はガールズバーで働く美香と日雇い労働をする慎二。 居酒屋で、ガールズバーで、街で偶然出会う二人。 

二人は悲観的だ。目の前で起こったことを見て嫌なことを予感してしまう。その嫌な予感が当たると信じて疑わない。路上ミュージシャンの女の子を見ても二人は揃って彼女は売れないと思ってしまう。 

そんなよく似た二人の恋愛を描きながら、留学実習生であるとか、若者の貧困、独居老人問題の一面も見せる。 

生活がままならなかったり、成長過程で何かあったら悲観的な未来しか想像できないかもしれない。 でも、そのとき思い詰めていたとしても未来はどうなるのかわからない。好転する未来だってある。そういう希望を感じた。