ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

『20センチュリー・ウーマン』

いつも一人で観ていたけど、久しぶりに友達と観た。鑑賞後に思ったことを話し合う。マイク・ミルズってウェス・アンダーソンとは違うスタイリングの良さがあるよねという話になった。

エル・ファニングが着ているコーデュロイっぽいズボン、アネット・ベニングが履いていた少しダボっとしたズボンにビルケンのサンダル。ちょっとくたびれたタイル張りのキッチン、植物のあしらい、刺繍付きのベッドカバー。1軒屋をDIYリノベーションしている様子もいいなと思った。

劇中で過去を描くとき、実際の写真や映像を使う演出は『人生はビギナーズ』と同じ。前作で父を描き、今作では母を描いた。

舞台は1970年代のサンタバーバラ。思春期を迎えた息子ジェイミーの子育てに悩むドロシア。部屋を貸している写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、ジェイミーの幼馴染のジュリー(エル・ファニング)に協力を仰ぐ。

アビーはNYの大学に進学していたこともあり、ジェイミーがこれまでにあったことのない先進的な人*1。『地球から落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイを意識して髪の毛を赤く染めている設定でちょっと笑った。

ジェイミーの幼馴染のジュリーは少し年上の女の子。家庭環境に問題あり。家が窮屈で自分らしく過ごせる場所としてジェイミー宅に入り浸る。

10代の子特有の残酷さも描かれる*2。良かれと思ってやったつもりが傷つけていた。子供は相手の表情を見て気付く。大人は子供に辛く当たることはせず大人を咎める。

異性の親子だから感じていた齟齬。母は若者の文化を知り、息子は覗いてみたかったちょっと大人の世界を知る。色々なものを見たり、経験し、自分の思いを語ることで埋まっていく。真の部分では通じ合っていたことを認識する。

いろいろな出来事が起こるが穏やかな気持ちのまま鑑賞できる。繰り替えし観たいなと思った。

 

 

なお、はてなブックマークをやっている人なら笑うであろうシーンがあった。同居人の元ヒッピーのウィリアムがドロシアを「瞑想しよう」と誘う。セリフだけで笑った。その後、野菜350g完全敗北。瞑想とはなんだったのか。

*1:フェミニストでパンク

*2:友達とマイク・ミルズ本人が似たようなことをやったんだろうねと話した