ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

『セールスマン』

イラン映画アカデミー賞外国語映画賞受賞作品だが、トランプ大統領の入国規制関連の方で話題になってしまったのが印象に残っている。

1年くらい前にイラン旅行した友達がinstagramにその様子をたくさんあげていたのでイラン自体に妙に親近感がわいていた。東アジア人が珍しかったらしく記念写真を求められたりしたらしい。

主人公のエマッドは生徒に好かれる教師。生徒から尊敬され好かれてもいる。先生の様子がおかしい。生徒たちも異変に気付く。

ある夜、妻ラナが自宅で暴漢に襲われてしまう。順風満帆だった夫婦に起こる悲劇。犯人を突き止めようと躍起になる夫。警察に被害届けを出せば知られたくない人にまで知られてしまうからそっとしておいて欲しい妻。

夫婦関係が壊れてしまうんじゃ…と思うほど夫婦の溝は深まっていく。妻はこれ以上傷つきたくない、一刻も早く自宅を出たい思いでいっぱいなのに、夫は自分が納得がいかないからと単独で犯人探しに動く。時折、妻に対して酷い言葉を投げかけることも。しかし、妻に起こったことは夫に起こったことでもある。夫も傷つき自分を責めていた。

この映画を見たのが先々週の水曜日。偶然、あさイチの性暴力特集と重なった。被害者が語る言葉と妻のラナが劇中で話す言葉が一致する。日常ふと起こる些細なことがきっかけで被害を受けてしまう。被害を受けた人が悪いわけではないのに、あのとき自分がこうしていたらこんなことにはならなかったと責める。それが切ない。

いろいろなことが重なった不幸が引き金になるのだけど、お前友達ならそれ事前に言えよ。知ってたら気をつけるだろうよ。愛しい人がいるんなら思いとどまれよ…。人の家族を壊しかけててよく言うよ…。などと思ったりした。