ハイク以上の長文

Haiku!するには長目で躊躇するやつ用。

老い

年々、若いころと同じ服装でいいのかと悩む。自分の趣味が変わらないこともあり、ちぐはぐな印象*1になってやしないかと不安になるのだ。しかし、大橋歩さんの『大人のおしゃれ』*2をちょこちょこと購入するたびに好きなものは好きなままでいて良さそうだと安心できる*3

さんざんどやさどやさ言われていたリニューアル後の『ku:nel*4を久しぶりに立ち読みした。7月号がなんだかいい。白髪をおしゃれに取り上げているのだ。

老いていくことはやはり怖い。ババアと言われる歳になったけど、それを人に言われるのはやはり心外と思ってしまう。若さをチャームポイントにするべき歳でもないのに心の隅でアンチエイジングを意識する。

その呪縛を解くかのように「シルバーヘアも美しい」というキャッチ。そのコピーと共に登場するのはパリの50代〜70代の女性たち。彼女たちは皆、白髪を生かした素敵な髪型で、それぞれその人自身にとても似合っている。しわが目立つ肌と白髪。それがとてもいいものに見えてくるのだ。若くあろうとせず老いを受け入れてそれを長所にしている姿が美しい。

この雑誌の行きたい将来像のようなものを髪型特集から見た気がする。アンチエイジングといった特集をすることもあるだろうけど、老いを受け止め、その上でおしゃれを提案していきたいというのが核なのかなと思った。

*1:年相応か否か

*2:毎号、もたいさんが表紙というのも好き

*3:この雑誌を見るたびコムデギャルソンっておばあちゃんな年齢で着てもいいんだなとなる。一着も持ってないけど

*4:あそこまで言われるほどじゃないだろうと思いつつ、それほどピンと来ていなかった

『冬々の夏休み』

『牯嶺街少年殺人事件』を観てから台湾映画づいている。いわゆる台湾ニューシネマとカテゴライズされる映画が中心*1エドワード・ヤンばかりだったけど、こちらはホウ・シャオシェンの映画。

子供の夏休みの日々をたんたんと描いた作品。こんな風に遊んだなと思い出がよみがえる場面がいくつもある。

主人公は中学校入学を控えた主人公の冬々(トントン)。入院中のお母さんは手術を控えており、お父さんはお母さんにつきっきりになる。そのため、妹の婷々(ティンティン)とともに夏休み*2を田舎に住む母方の祖父母宅で過ごすことに。

兄妹は台北を離れ、祖父母たちが暮らす銅羅へ電車で向かう。その車中で起こることや田舎についてからの日々を冬々の視点で描く。冬々の夏休みは楽しくて、スリリングで、怠惰で、ときどき心細い。

冒頭の卒業式のシーンで笑う。日本と同じような卒業式。楽しかった運動会みたいな答辞*3仰げば尊し

電車での婷々を見て、姪を思い出したりした。慣れない車内トイレで若干漏らし、パンツを着替えるときに「このパンツは嫌」となる。それで姪を思い出して思わずニヤっとした。姪が実家に泊まった時、ママが用意してくれた靴下(実際は自分が欲しくて買った物)をこれじゃないのーって泣き、兄(甥)が冷めた目で姪はいつもこうだから放っておいていいよ*4と言ったのだ。

銅羅の子供達とすぐに親しくなった冬々は遊びに夢中になる。その中に入れてもらえず、怒る婷々。ちびっこはつい来るなよーとなる冬々たち。婷々を置いてきぼりにするため、せいので駆け足するシーン。付いて来ないのは付いて来ないで心配になってしまう。

体験したことがあるようなことがいくつも出てくる。自分だけじゃなく甥や姪に重なる場面もある。子供のことを丹念に描いた映画だなとしみじみ思った。
 

*1:デジタルリマスター版が公開されているせい

*2:台湾は9月入学。夏休み明けに新学期が始まる

*3:「パズルより難しかった算数!」実際に言ったセリフ

*4:相手にされないと泣き止むらしい

『光陰的故事』

金曜日の仕事帰りに『光陰的故事』を鑑賞した。週の初めに残業をしたせいで結構疲れた状態。不安で栄養ドリンクを買った*1

4話からなるオムニバス映画。テーマは恋だったと思う。監督はそれぞれ違う。

1話目『小龍頭*2』はタオ・ドゥーツェン監督。小学生男子の初恋がモチーフ。恋する男子をクラスメイトが冷やかす感じに小学生男子らしさを感じた。

2話目『指望*3エドワード・ヤン監督。中3くらいの女子の性の目覚めというような感じだった。登下校を共にしていた同級生の男子よりも一足先に大人になって行く女子。そんな女子と男子の成長期の違いのようなものを対比的に描いていた*4。生理の始まりと男性への興味。主人公の女の子が男性に見とれてしまうシーンでやたらと男性の上半身裸を艶めかしく撮っていて笑った。

3話目『跳蛙*5』はクー・イーチェン監督。大学生男子の恋物語。太っていた頃の名残でぶーちゃんみたいなあだ名で呼ばれている。親が金持ちのメガネ男子。片思いの彼女の気を引くために奮闘する。無駄に暑苦しい役でちょいちょい笑った。大学の描写がいい。時代が時代なのもあって講義にはラジカセを使う。ラジカセで講義をかける教授とそれを録音する学生。教室には誰もいないというシーンが最高だった。

4話目『報上名来*6』はチャン・イー監督。若い夫婦の物語。新築マンションへ引っ越した翌日のドタバタ。旦那さん役が『恐怖分子』に出ていた役者だ!と興奮。妻が出勤する直前に旦那に「鉄格子のドアはオートロックタイプだから鍵を持って出てね」と言うのだが旦那は話半分。絶対やるだろうなぁと思ったらまんまとやった。それもほぼ半裸の状態で締めだされる。やべぇーよとなり、てんやわんや。奥さんは奥さんで初出勤日なのにやっちまった!がある。

2話目、3話目と徐々におもしろくなって行った。特に最後の話は、目がパッと覚める喜劇。覚醒するような笑いではなく、帰宅後にあぁーおもしろかったと思い出しながらぐっすり眠れそうな笑い。とりあえずいい心持ちになったのでビール飲んで帰った。 

*1:前日はリポビタンD。同じの2日連続で飲むと効き目なさそうと思い、チョコラBBを買ったがダメだ。弱い

*2:日本語タイトルは怪獣くん

*3:日本語タイトルは希望

*4:男子役の子がいい感じに小学生臭さが残っていてよかった

*5:日本語タイトルは跳ねる蛙

*6:日本語タイトルは名を名乗れ

気分で観ていた頃からの卒業

大きく出てしまったが、ゴダール映画についての話。

ゴダール映画をはじめて観たのは10代後半くらい。『勝手にしやがれ』、『小さな兵隊』、『気狂いピエロ』を観た。『勝手にしやがれ』はパリの街並みがいいな。『小さな兵隊』はアンナ・カリーナかわいい。『気狂いピエロ』はわからない。どれもストーリーがいまいち理解できず、気分で観ていた。

おしゃれぶって見たフランス映画で純粋に面白いと思えたのは、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』、トリュフォーの『アントワーヌとコレット』、ルイ・マルの『地下鉄のザジ』、『死刑台のエレベーター』、クロード・シャブロルの『いとこ同士』くらい*1

それ以後、おしゃれぶって映画を見るということがなくなり、フランス映画そのものをめったに観なくなった。早稲田松竹で『女は女である』と『はなればなれに』の2本立ての上映。2本で1300円。これを逃すともう観ようとも思わないだろう。仕事もひと段落ついたし、帰りに映画館へ。

1本目、『女は女である』。あれ?面白い。ミュージカル仕立てのラブコメディ。子供が欲しい彼女と子供はまだいいという彼氏。彼女にちょっかいを出す男子が割り込んでくる。彼女連れで「彼女と子作りしてください!」とスカウトしに出かけたり、寝る前に軽く喧嘩したとき本棚から取ってきた本のタイトルで会話するシーンがとてもよかった。

ジャンヌ・モローカメオ出演していて、『突然炎のごとく』の歌を歌っていたり*2、セリフの端々にヌーヴェルバーグの作品名なんかを盛り込む*3。そういう内輪ネタっぽいものにクスッとした。

2本目、『はなればなれに』はチンピラ二人と世間知らずの若い女の子の物語。気を引きたかったからなのか英語教室のクラスメイトであるチンピラの片割れに「(確証はないが)同居してる叔母が家に大金を隠してるっぽい」と話したことがきっかけで始まる強盗計画。それをシリアスかつユーモラスに描く。

とにかくカフェでのダンスシーンがよすぎる。その後、ルーブル美術館をアメリカスタイルで観ようと疾走する場面。アメリカ人は立ち止まらずに観るのか!?となったりした。「アメリカ人を越えた!」と喜ぶのとか本当にいい。髪型が古臭いと指摘されて*4、結い髪をほどき鏡を見るシーンのアンナ・カリーナがかわいすぎる。自転車に乗るシーンできちんと手信号を出していて、やっぱりこれやらないと危ないよなぁと思ったりした*5

仕事帰りの2本立ては老体にはきつかったが、見に行ってよかった。幸いAmazonビデオに『女は女である』*6があるので見直したい。

*1:意外とあった

*2:調べたらトリュフォーも出ていたらしい。改めて見直したい

*3:さらに調べたら『地下鉄のザジ』のザジがカメオ出演していたらしい

*4:そのときの髪型も十分すぎるほどにあってる

*5:日本でやったら変な奴と思われるかな…。と思いつつ早速実践している

*6:『はなればなれに』がないのが残念

『20センチュリー・ウーマン』

いつも一人で観ていたけど、久しぶりに友達と観た。鑑賞後に思ったことを話し合う。マイク・ミルズってウェス・アンダーソンとは違うスタイリングの良さがあるよねという話になった。

エル・ファニングが着ているコーデュロイっぽいズボン、アネット・ベニングが履いていた少しダボっとしたズボンにビルケンのサンダル。ちょっとくたびれたタイル張りのキッチン、植物のあしらい、刺繍付きのベッドカバー。1軒屋をDIYリノベーションしている様子もいいなと思った。

劇中で過去を描くとき、実際の写真や映像を使う演出は『人生はビギナーズ』と同じ。前作で父を描き、今作では母を描いた。

舞台は1970年代のサンタバーバラ。思春期を迎えた息子ジェイミーの子育てに悩むドロシア。部屋を貸している写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、ジェイミーの幼馴染のジュリー(エル・ファニング)に協力を仰ぐ。

アビーはNYの大学に進学していたこともあり、ジェイミーがこれまでにあったことのない先進的な人*1。『地球から落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイを意識して髪の毛を赤く染めている設定でちょっと笑った。

ジェイミーの幼馴染のジュリーは少し年上の女の子。家庭環境に問題あり。家が窮屈で自分らしく過ごせる場所としてジェイミー宅に入り浸る。

10代の子特有の残酷さも描かれる*2。良かれと思ってやったつもりが傷つけていた。子供は相手の表情を見て気付く。大人は子供に辛く当たることはせず大人を咎める。

異性の親子だから感じていた齟齬。母は若者の文化を知り、息子は覗いてみたかったちょっと大人の世界を知る。色々なものを見たり、経験し、自分の思いを語ることで埋まっていく。真の部分では通じ合っていたことを認識する。

いろいろな出来事が起こるが穏やかな気持ちのまま鑑賞できる。繰り替えし観たいなと思った。

 

 

なお、はてなブックマークをやっている人なら笑うであろうシーンがあった。同居人の元ヒッピーのウィリアムがドロシアを「瞑想しよう」と誘う。セリフだけで笑った。その後、野菜350g完全敗北。瞑想とはなんだったのか。

*1:フェミニストでパンク

*2:友達とマイク・ミルズ本人が似たようなことをやったんだろうねと話した

寂しさの自覚がない人

昨日あたり話題になった婚活に行き詰まったあの増田。20代後半から30代前半の女性視点で書かれたものだと思う。その年代なら共感できるのかは、よくわからない。ただ、あの増田に対して、sukekyoさんが

今の時代に女が結婚する意味って?

現代の怪文書はこっちのほうだな。やっぱり天然の味わい。あと5年ほどしてまた同じテーマで書いていただきたい。

2017/06/03 08:30

と書いておられたけど、まさに天然の味わい。

言及しなくてもいいのについしたくなってしまう名文。端々に「私にはまだチャンスがあります」感を漂わせ、高齢独身女に対してナチュラルに上から目線になっている。

もうかなり、生涯独身キメるつもりではあるんだけど

“もうかなり”からの“つもり”とは、私はあなたたちと違って猶予があって選択肢がありますと含ませつつ、独身女性がさも生涯独身でいることを決めているかのように語る。独身をキメるとはなかなかな言葉だ。キメるである

独身貫いてる女性って、高学歴高収入でバリバリ働いて、性格に一癖あっても会話するとすごく面白くて興味深い人が多いんだよね。

“性格に一癖あって”当事者*1だから否定する気はないけど、 “興味深い人が多いんだよね”と謎の上から目線。繰り返しになるが、そもそも生涯独身を貫くつもりでいる人は少ないと思う。

さらにブコメにボクサー現れる。

今の時代に女が結婚する意味って?

“独身貫いてる女性って、高学歴高収入でバリバリ働いて、性格に一癖あっても会話するとすごく面白くて興味深い人が多い” ←違います、独身だからではなく、性格に一癖あるから面白くて興味深く独身なのです。

2017/06/03 12:26

1発目。これを否定できない。特に面白くもなく独身。泣く。

今の時代に女が結婚する意味って?

増田のことなので自分で決めればいいと思う。/ただ、結婚しない女性って職場などでもなんだか付き合いづらい性格の方が多いのでそこは気を付けてもらったほうがよいかと。

2017/06/03 10:19

2発目。これも否定できない。職場の皆さんごめんなさい。

追記のトラバで

ちなみに私は元から恋愛結婚は否定してない。

重箱の隅をつつくと“恋愛結婚”は否定しないけど、お見合いはダメなの?お見合いも恋愛結婚と同じようなもんだと思うけど。結婚そのものを否定してないとして、なぜあそこまで必死になる。生き方の多様性を認めてくれと言っている割に色々な人の意見を受け止められずに「私は正しい」から抜け出せずにいる感じ。

「結婚の圧力」ていうけど、親から「孫の顔が見たい」があるくらい*2。他人から言われるのはごく稀だし、世間のというのもピンとこない。特に東京は色んな人がいる街なのでよく言えば寛容で悪く言えば無関心。だから人の生き方にとやかく言う人は少ない。

最初の増田で“1人が寂しい人は結婚に向いている”とか書きながらトラバの文末の締め。一人が寂しいのは自分じゃんってなる。一人に寂しさを感じていない人は独身同士でつるもうとか思わないし、わざわざ独身仲間を探したりなんてしない。既婚友達とも老後の話をして、お互い近くに住んで助け合おうとなったりする。

あの増田こそが“1人が寂しい人”だが、多分自覚がない。増田の理論で言えば、結婚に向いているのは増田自身だ。

*1:高学歴でも高収入でもありません。独身女ってだけです

*2:ちなみに、ある一定の年齢を過ぎると親がこちらの老後の心配をしだす。親には感謝しかない

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』

週末に友人宅で無印を視聴。友人が絶賛していたから面白いに違いないと思っていたらやっぱり面白かった。ますます期待値が上がるvol.2。やっぱり面白かった!!!

無印で少年ピーターが宇宙船にさらわれ*1、盗賊っぽいお仕事などをする。なんやかんやあって強敵に立ち向かわねばならず仲間を得ていくというようなストーリーだった。

2ではピーターの出自が明らかになる。へぇーすげー壮大なのね。んん!これは…藤子不二雄とかの漫画*2で読んだことあるやつだ!ハッピーすぎる星にはやっぱりなんかあるよね。あと、今作は姉妹の和解も描かれてた。妹さん実はいい子。

無印のときにも友達からのお勧めポイントとして、80年代と言われてた。80年代のアメリカンカルチャーもりもり。ウォークマントロールに変なアヒルのキャラクター。切ない場面で無印で見たトロールが出てきて笑いそうになった。

何よりSONYウォークマン*3が!!!無印で取りに戻った大切なウォークマン。ピーターのトレードマークでもあったのに…てなった。こんなウォークマンという単語を聞ける映画はそうない。

「I am Groot」しか言わない木が今作ではちびっ子になり、小枝と呼ばれてる。非常にかわいい。グルートに課せられたミッションの数々がはじめてのお使い。挿し木からの成長で知性も幼児レベルになっているとか木のリセット能力ぱねぇ。タラオ的ポジションのロケット(アライグマ)も手を焼く。コナンを見習ってほしい。

おいスタローン!どうしたんだよ!スタローン。シルベスター・スタローンが出てきます。端役で大スターがをちょっと出るの楽しい。

オープニングの始まり方もエンディングもいい。なんだこのぐっとくる作り。サントラをポチるぞ*4

追記

酒飲んで興奮して書いてアップしたらあれな文章がよりあれになったので一部書き直した。

*1:愛する母の死に際に立ち会い、病院を飛び出して自転車で疾走している途中にヒョイーンと

*2:いろんな宇宙人が出てくるので、このシリーズ自体に『宇宙家族ノベヤマ』っぽさがある

*3:SONYウォークマンってよく見りゃいいデザイン

*4:ポチりました