近所で美味い中華屋に遭遇すると同じ路線に住んでる兄に食いに行ってくれ!とバカの一つ覚えのように業務連絡してしまう。今日がまさにそんな日だった。美味いものはどうしたって兄弟に共有したいのだ。美味いラーメン屋だと茨城に住む弟にも共有していつか食いにいってくれとニヤニヤしあう。
そんな俺たち兄弟の中華のソウルフードは茨城県日立市にある鹿島菜館だ。母方の実家の近所にあるこの店の料理が好きで、われわれ兄弟はことあるごとにこの店の料理で腹を満たした。なかでも3人の好物はチャーハンと焼きそばだった。ほどよい脂っこさと中華の出汁が絶妙に効いた料理*1に魅了されていた。料理の量は親が依頼したのかわからないがいつも育ち盛りの我々の腹を思い切り満たしてくれた。
鹿島菜館の味がベースにあって、どこに行ってもあそこは「鹿島菜館っぽい」が兄弟の共通言語になった。だから美味い店、それっぽい店に出会うと兄弟に言いたくなってしまうのである。
Googleマップのレビューによると鹿島菜館の店主は高齢になっているという。厨房で汗を流しながら調理をしていたあのおじさんがお爺さんになり、軽やかに配膳してお会計をしてくれたおかみさんがお婆さんになったのだと思う。
料理は中年にはちょっと脂っこいかもしれないけど、この店が私たち兄弟にとっての町中華だ。何度でも食べたい消えてほしくないソウルフードなのである。