ハイク以上の長文

Haiku!するには長目で躊躇するやつ用。

頼りない大人

母が1週間ほど実家に戻るのを知り、タイミングを合わせて数日実家を拠点に仕事。

金曜夜は弟一家が実家に来て一緒にご飯。義妹の帰りが遅くて「遅いねぇいつもこのくらいなの?大変だねぇ」と弟に質問したところ、この日は遅番で最後のお迎えが来るまで待つ担当とのこと。本当は20時までなのだけど、事前連絡があればある程度待つそうだ。

それから堰を切ったように義妹が弟に話した愚痴の又聞き。お迎え時間など臨機応変に対応してきたことでかえって保育園や保育士が親に甘えられるようになってしまったという。善かれと思ってとった対応により仕事が増えたというようなことらしい *1

その後、「姉ちゃん、ウサギが死ぬことを考えているのか?」と聞かれた。ペットロスとかあるんだよ。鬱になった人がいると知人の例をあげながら切々と語ってきた。次の子を飼えばとかダメなんだからねと諭される。

義妹の帰りが遅くて甥と姪の風呂の時間が遅れ、姉ちゃん風呂に入れてやってよと言われた。しかし、母が「姉ちゃんには無理だよ…」と。弟は弟で飲酒していて難しく、母が一緒に入った。

弟がやればいいものの風呂上がりの子供達を受ける役目をやってみろと言われ担当。それすらうまく出来なかった。髪の毛が長い姪の髪をしっかり拭いてやるのを忘れていた。それを指摘されてそういえば…となったところで義妹が帰宅。

弟に駄目出しをされた後、みんなで食事。義妹が帰ろうと呼びかけたところで甥と姪の泊まりたい宣言。嬉しいことに叔母と一緒に寝たい!と言ってくれた。寝る前に寝る位置で揉め、就寝。子供達、驚くべき寝相。顔を蹴られる。さらに二人とも朝が早い。起きると同時に完全な目覚め。ほぼ同じ時間に寝たのにその体力はなんなんだ!

*1:その話を聞いた先入観もあったからかいつもの仕事帰りよりも義妹が疲れているように見えた。

撮りたいものはこの街にある

先週金曜日の夜に「ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展」を観てきた。

去年、阿佐ヶ谷ユジクでドキュメンタリー映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』を観たのもちょうど今頃。展覧会の開催を知ってから行かなきゃと思っていたのに、バタバタと終了間近の鑑賞となった。

映画でこんな老いぼれのことを記録しても意味がないと語ったり、助手の若い女の子をおかしい子でしょ?って言ったり、とにかく笑う姿が印象に残っている。

デジカメ*1を使いこなして撮影する姿もあった。肩からカメラを下げながら街を歩く姿がなんだかとてもいい。近所で出会った人を何気なく撮る。カメラを前にコミカルにポーズをとる子供とコミュニケーションをとりながら撮影。自分の近所に撮りたいものがたくさんあるんだ。というようなことを言っていたと思う。

ときどき入るソール・ライターの写真がどれもいい。ファッション誌『Harper's BAZAAR』でカメラマンとして活躍していた頃のもの。それより少し前だったのか、あとだったのか忘れたけど、アンディ・ウォーホルなど当時のアート界隈の人たちが写る写真も出てきた。構図が少しおかしい。観ているうちに、それがソール・ライターぽいと思うくらいになる。

この展覧会で実際の写真を観て、あぁ…映画で観たやつ!と興奮した。ファッション写真とその合間に撮ったスナップ。ファンション誌のカメラマンとしてアート界隈からも注目されていたのに表舞台から去り、自分の街で起こる人の営みを撮った。写る人を見るたびにその人が生活する姿を思い浮かべてしまう*2。そんな写真。

窓越しに撮るのもこの人の特徴だなと改めて思った*3。雪の日の結露、窓に当たる雨の雫、雨の日の傘*4。人や猫、なんてことない日常のいつもの風景。いいなと思ったらすぐ撮っていたんだろうなと思う。撮ることが好きで生きることそのものだったのかも。

*1:PanasonicLUMIXを使ってたと思う

*2:靴磨きの靴っていう写真とか電車から高架下を撮ったものなど

*3:映画でそれについて語っていた気がするが忘れた

*4:傘は好きらしい

老い

年々、若いころと同じ服装でいいのかと悩む。自分の趣味が変わらないこともあり、ちぐはぐな印象*1になってやしないかと不安になるのだ。しかし、大橋歩さんの『大人のおしゃれ』*2をちょこちょこと購入するたびに好きなものは好きなままでいて良さそうだと安心できる*3

さんざんどやさどやさ言われていたリニューアル後の『ku:nel*4を久しぶりに立ち読みした。7月号がなんだかいい。白髪をおしゃれに取り上げているのだ。

老いていくことはやはり怖い。ババアと言われる歳になったけど、それを人に言われるのはやはり心外と思ってしまう。若さをチャームポイントにするべき歳でもないのに心の隅でアンチエイジングを意識する。

その呪縛を解くかのように「シルバーヘアも美しい」というキャッチ。そのコピーと共に登場するのはパリの50代〜70代の女性たち。彼女たちは皆、白髪を生かした素敵な髪型で、それぞれその人自身にとても似合っている。しわが目立つ肌と白髪。それがとてもいいものに見えてくるのだ。若くあろうとせず老いを受け入れてそれを長所にしている姿が美しい。

この雑誌の行きたい将来像のようなものを髪型特集から見た気がする。アンチエイジングといった特集をすることもあるだろうけど、老いを受け止め、その上でおしゃれを提案していきたいというのが核なのかなと思った。

*1:年相応か否か

*2:毎号、もたいさんが表紙というのも好き

*3:この雑誌を見るたびコムデギャルソンっておばあちゃんな年齢で着てもいいんだなとなる。一着も持ってないけど

*4:あそこまで言われるほどじゃないだろうと思いつつ、それほどピンと来ていなかった

『冬々の夏休み』

『牯嶺街少年殺人事件』を観てから台湾映画づいている。いわゆる台湾ニューシネマとカテゴライズされる映画が中心*1エドワード・ヤンばかりだったけど、こちらはホウ・シャオシェンの映画。

子供の夏休みの日々をたんたんと描いた作品。こんな風に遊んだなと思い出がよみがえる場面がいくつもある。

主人公は中学校入学を控えた主人公の冬々(トントン)。入院中のお母さんは手術を控えており、お父さんはお母さんにつきっきりになる。そのため、妹の婷々(ティンティン)とともに夏休み*2を田舎に住む母方の祖父母宅で過ごすことに。

兄妹は台北を離れ、祖父母たちが暮らす銅羅へ電車で向かう。その車中で起こることや田舎についてからの日々を冬々の視点で描く。冬々の夏休みは楽しくて、スリリングで、怠惰で、ときどき心細い。

冒頭の卒業式のシーンで笑う。日本と同じような卒業式。楽しかった運動会みたいな答辞*3仰げば尊し

電車での婷々を見て、姪を思い出したりした。慣れない車内トイレで若干漏らし、パンツを着替えるときに「このパンツは嫌」となる。それで姪を思い出して思わずニヤっとした。姪が実家に泊まった時、ママが用意してくれた靴下(実際は自分が欲しくて買った物)をこれじゃないのーって泣き、兄(甥)が冷めた目で姪はいつもこうだから放っておいていいよ*4と言ったのだ。

銅羅の子供達とすぐに親しくなった冬々は遊びに夢中になる。その中に入れてもらえず、怒る婷々。ちびっこはつい来るなよーとなる冬々たち。婷々を置いてきぼりにするため、せいので駆け足するシーン。付いて来ないのは付いて来ないで心配になってしまう。

体験したことがあるようなことがいくつも出てくる。自分だけじゃなく甥や姪に重なる場面もある。子供のことを丹念に描いた映画だなとしみじみ思った。
 

*1:デジタルリマスター版が公開されているせい

*2:台湾は9月入学。夏休み明けに新学期が始まる

*3:「パズルより難しかった算数!」実際に言ったセリフ

*4:相手にされないと泣き止むらしい

『光陰的故事』

金曜日の仕事帰りに『光陰的故事』を鑑賞した。週の初めに残業をしたせいで結構疲れた状態。不安で栄養ドリンクを買った*1

4話からなるオムニバス映画。テーマは恋だったと思う。監督はそれぞれ違う。

1話目『小龍頭*2』はタオ・ドゥーツェン監督。小学生男子の初恋がモチーフ。恋する男子をクラスメイトが冷やかす感じに小学生男子らしさを感じた。

2話目『指望*3エドワード・ヤン監督。中3くらいの女子の性の目覚めというような感じだった。登下校を共にしていた同級生の男子よりも一足先に大人になって行く女子。そんな女子と男子の成長期の違いのようなものを対比的に描いていた*4。生理の始まりと男性への興味。主人公の女の子が男性に見とれてしまうシーンでやたらと男性の上半身裸を艶めかしく撮っていて笑った。

3話目『跳蛙*5』はクー・イーチェン監督。大学生男子の恋物語。太っていた頃の名残でぶーちゃんみたいなあだ名で呼ばれている。親が金持ちのメガネ男子。片思いの彼女の気を引くために奮闘する。無駄に暑苦しい役でちょいちょい笑った。大学の描写がいい。時代が時代なのもあって講義にはラジカセを使う。ラジカセで講義をかける教授とそれを録音する学生。教室には誰もいないというシーンが最高だった。

4話目『報上名来*6』はチャン・イー監督。若い夫婦の物語。新築マンションへ引っ越した翌日のドタバタ。旦那さん役が『恐怖分子』に出ていた役者だ!と興奮。妻が出勤する直前に旦那に「鉄格子のドアはオートロックタイプだから鍵を持って出てね」と言うのだが旦那は話半分。絶対やるだろうなぁと思ったらまんまとやった。それもほぼ半裸の状態で締めだされる。やべぇーよとなり、てんやわんや。奥さんは奥さんで初出勤日なのにやっちまった!がある。

2話目、3話目と徐々におもしろくなって行った。特に最後の話は、目がパッと覚める喜劇。覚醒するような笑いではなく、帰宅後にあぁーおもしろかったと思い出しながらぐっすり眠れそうな笑い。とりあえずいい心持ちになったのでビール飲んで帰った。 

*1:前日はリポビタンD。同じの2日連続で飲むと効き目なさそうと思い、チョコラBBを買ったがダメだ。弱い

*2:日本語タイトルは怪獣くん

*3:日本語タイトルは希望

*4:男子役の子がいい感じに小学生臭さが残っていてよかった

*5:日本語タイトルは跳ねる蛙

*6:日本語タイトルは名を名乗れ

気分で観ていた頃からの卒業

大きく出てしまったが、ゴダール映画についての話。

ゴダール映画をはじめて観たのは10代後半くらい。『勝手にしやがれ』、『小さな兵隊』、『気狂いピエロ』を観た。『勝手にしやがれ』はパリの街並みがいいな。『小さな兵隊』はアンナ・カリーナかわいい。『気狂いピエロ』はわからない。どれもストーリーがいまいち理解できず、気分で観ていた。

おしゃれぶって見たフランス映画で純粋に面白いと思えたのは、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』、トリュフォーの『アントワーヌとコレット』、ルイ・マルの『地下鉄のザジ』、『死刑台のエレベーター』、クロード・シャブロルの『いとこ同士』くらい*1

それ以後、おしゃれぶって映画を見るということがなくなり、フランス映画そのものをめったに観なくなった。早稲田松竹で『女は女である』と『はなればなれに』の2本立ての上映。2本で1300円。これを逃すともう観ようとも思わないだろう。仕事もひと段落ついたし、帰りに映画館へ。

1本目、『女は女である』。あれ?面白い。ミュージカル仕立てのラブコメディ。子供が欲しい彼女と子供はまだいいという彼氏。彼女にちょっかいを出す男子が割り込んでくる。彼女連れで「彼女と子作りしてください!」とスカウトしに出かけたり、寝る前に軽く喧嘩したとき本棚から取ってきた本のタイトルで会話するシーンがとてもよかった。

ジャンヌ・モローカメオ出演していて、『突然炎のごとく』の歌を歌っていたり*2、セリフの端々にヌーヴェルバーグの作品名なんかを盛り込む*3。そういう内輪ネタっぽいものにクスッとした。

2本目、『はなればなれに』はチンピラ二人と世間知らずの若い女の子の物語。気を引きたかったからなのか英語教室のクラスメイトであるチンピラの片割れに「(確証はないが)同居してる叔母が家に大金を隠してるっぽい」と話したことがきっかけで始まる強盗計画。それをシリアスかつユーモラスに描く。

とにかくカフェでのダンスシーンがよすぎる。その後、ルーブル美術館をアメリカスタイルで観ようと疾走する場面。アメリカ人は立ち止まらずに観るのか!?となったりした。「アメリカ人を越えた!」と喜ぶのとか本当にいい。髪型が古臭いと指摘されて*4、結い髪をほどき鏡を見るシーンのアンナ・カリーナがかわいすぎる。自転車に乗るシーンできちんと手信号を出していて、やっぱりこれやらないと危ないよなぁと思ったりした*5

仕事帰りの2本立ては老体にはきつかったが、見に行ってよかった。幸いAmazonビデオに『女は女である』*6があるので見直したい。

*1:意外とあった

*2:調べたらトリュフォーも出ていたらしい。改めて見直したい

*3:さらに調べたら『地下鉄のザジ』のザジがカメオ出演していたらしい

*4:そのときの髪型も十分すぎるほどにあってる

*5:日本でやったら変な奴と思われるかな…。と思いつつ早速実践している

*6:『はなればなれに』がないのが残念

『20センチュリー・ウーマン』

いつも一人で観ていたけど、久しぶりに友達と観た。鑑賞後に思ったことを話し合う。マイク・ミルズってウェス・アンダーソンとは違うスタイリングの良さがあるよねという話になった。

エル・ファニングが着ているコーデュロイっぽいズボン、アネット・ベニングが履いていた少しダボっとしたズボンにビルケンのサンダル。ちょっとくたびれたタイル張りのキッチン、植物のあしらい、刺繍付きのベッドカバー。1軒屋をDIYリノベーションしている様子もいいなと思った。

劇中で過去を描くとき、実際の写真や映像を使う演出は『人生はビギナーズ』と同じ。前作で父を描き、今作では母を描いた。

舞台は1970年代のサンタバーバラ。思春期を迎えた息子ジェイミーの子育てに悩むドロシア。部屋を貸している写真家のアビー(グレタ・ガーウィグ)と、ジェイミーの幼馴染のジュリー(エル・ファニング)に協力を仰ぐ。

アビーはNYの大学に進学していたこともあり、ジェイミーがこれまでにあったことのない先進的な人*1。『地球から落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイを意識して髪の毛を赤く染めている設定でちょっと笑った。

ジェイミーの幼馴染のジュリーは少し年上の女の子。家庭環境に問題あり。家が窮屈で自分らしく過ごせる場所としてジェイミー宅に入り浸る。

10代の子特有の残酷さも描かれる*2。良かれと思ってやったつもりが傷つけていた。子供は相手の表情を見て気付く。大人は子供に辛く当たることはせず大人を咎める。

異性の親子だから感じていた齟齬。母は若者の文化を知り、息子は覗いてみたかったちょっと大人の世界を知る。色々なものを見たり、経験し、自分の思いを語ることで埋まっていく。真の部分では通じ合っていたことを認識する。

いろいろな出来事が起こるが穏やかな気持ちのまま鑑賞できる。繰り替えし観たいなと思った。

 

 

なお、はてなブックマークをやっている人なら笑うであろうシーンがあった。同居人の元ヒッピーのウィリアムがドロシアを「瞑想しよう」と誘う。セリフだけで笑った。その後、野菜350g完全敗北。瞑想とはなんだったのか。

*1:フェミニストでパンク

*2:友達とマイク・ミルズ本人が似たようなことをやったんだろうねと話した