ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

『ストロングマン』

ほぼ全編中年男性しか出てこない映画。 

笑い泣きした。とてつもなくくだらなく、とてつもなく愛おしい男たちの物語。

男の見栄とプライドをかけた熱きバトル。 

 

船長と料理人付きのクルーザーをチャーターし、エーゲ海で釣りやダイビングなどを楽しむ男性6人。 

夕食後にゲームをしたときのこと、メンバーのひとりヨルゴスが「こんなくだらないゲームで勝者を決めるなんてばからしい」というようなことをいい席を立つ。 

するとクリストスが幼いころに友達と遊んでいた“ストロングマン”をやろうじゃないかと提案。それは些細なことにまで順位を決めて最終的に皆が決めた順位から最高の男を決めるというもの。 

その夜から寝相にまで順位を付け始める。いいパンツをはいているからの会話劇。なぜ半裸なんだ、あえて狙って(パンツアピールのための)の半裸なのか!というようなアホさ。 

セリフの端々からばかばかしさがにじみ始める。インポの疑いをかけられた男はそうでないことを証明するためにメンバーのうちの一人に官能小説を朗読してもらう。「感情がこもってない」からの展開は笑いしかない。 

いちばんの年長者で尊敬されているはずの先生がわがままな爺さんであからさまに娘婿のヤニスを嫌っている。そんな爺さんの大人気なさも、ヤニスと実弟ディミトリスのやりとりも非常に面白い。 

クルーザーの乗務員たちまで誰がストロングマンかを話し始める。そんな彼らのやりとりもコントのよう。 

深く何も考えたくないときや、笑うことでクサクサした気持ちを前向きに変えたい時に見たい映画だ。