ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

ロマンスグレーのヒーロー

電車で初めて急病人救助の現場に遭遇する。白髪の目立つ、年の頃50代と思われるサラリーマンの連携プレイがすごかった。知らない人同士のはずなのに阿吽の呼吸で動き、指示を出す。

「駅員どこ?駅員呼んで!あっいた駅員さーん」と駆けて行くリーマン。
駅員さんが到着すると、腕組みしながらしきりに「救急車呼んだよね、呼んだよね」と確認するリーマン。
駅員さんが車椅子を運んで到着すると「車椅子はダメだろう……」とため息のリーマン。

「タンカ!タンカあるでしょ?早く!」と駅員をあせらせるリーマン。

急病人を動かそうとする駅員さんに「その状態で動かしちゃダメ!」、「医療関係者いないか呼んで!」とか、それぞれが声出し。正直うるさいし、すげータメ口である。こういう上司の下で働くの嫌とか思ってしまうんだけど、指示はかなり的確だ。悔しいけどこのおっさんら仕事できるんだろうなぁって思う。

急病人は20代と思われる男性で気を失っていたはずなのに、気を取り戻したらまた電車に乗り込もうとする。男性は顔面から血を流していた。そりゃ無理あるだろう。誰もが思う姿だ。案の定、救助活動に奮闘したリーマン総ツッコミ。「おーい!ダメだろう」、「何考えてんだ、ダメ!」、「また倒れたらどうするのよぉ?」、「ここで病院に行きなさい」という。
リーマンたちの意見を素直に聞き入れた急病人の男性は電車に乗るのを諦め、車椅子に座る。しばらくすると医師か看護師と思われる乗客が急病人のところへ駆けつけ状態確認を開始。一安心したところで電車が発車した。