ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

文豪、マジ最高

前回のエントリーで書いた『陰翳礼讃』を読み終えた。これがあまりにおもしろすぎた。K文社*1よ、なぜおしゃれっぽい紹介の仕方をしたのだ!とちょっと怒りモード。博識文豪によるおもしろエッセイ集だったじゃねぇか!!

TANIZAKIはちょいちょい「わからん人ほっときますよ。いちいち説明しませんよ。義務教育やないんやからね」というようなテントさん的な文章を書く。「恋愛及び色情」で今昔物語の文をそのまま引用されたときは、ちょっと待って文豪!読者が読める前提っすか?浅学な自分、過呼吸寸前death。雰囲気で読み進め、最終ページまでたどり着くと東洋人の肌は繊細。眺めるには骨格が美しい西洋人だが触れるなら東洋人だわとのこと。おっおう。

「客ぎらい」の猫のしっぽへの記述や「旅のいろいろ」の好きな場所は秘密にするよねっていうのもすごくよかったのだが、最後の「厠のいろいろ」が最高すぎた。冒頭のうどん屋のトイレ*2、潤一郎が考える理想のトイレ、和式の水栓便器は最悪だ、美人には自分のブツを見て欲しくない、名古屋のトイレから都雅な匂いなどなど、笑うほかないネタのオンパレード。これ1冊読み終えたら潤一郎大好きってなるわ。あぁ読んでよかった。なぜ、私は積読してしまったのか……悔やまれる。

コロナがひと段落したら法然院に行ってTanizakiの墓参りをしたい。文豪、マジ最高でしたと手を合わせたい。

*1:京都にあるシャレオツ書店

*2:最高にやばいやつ