ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

俺のこのお気持ち長文

限定公開から復帰しようと思いたち、久しぶりにはてなブログを開くと「本当は人に教えたくない逸品、語ってみませんか?”*1」というお題が目に飛び込んできた。あってもはてなでなんか書かねーよと思う。そんな私がはてな匿名ダイアリーで1、2を争うほど嫌いなのが質問増田だ。自分で調べろよ!人力検索はてなを使え!と見るたびに苦々しく思う。丁寧に返信していてかわいいなどという軟弱なコメントを見かけては、お前ともどもmixi*2に投げ込んでやろうかとなる。

上司から新たなお仕事の提案が来たが、どう考えてもお前暇だから選んだわってやつでムカつく。向いてると思うんだよね?はぁ???ってなる。今やっていることをやりたいんだよ!そもそも暇そうだからってはっきり言ってくれ。。泣きそう。

これを読んで以来、サカナクションの「忘れられないの」をアコエレで向井さんがどんな感じで歌ったのかなぁと妄想しながら聞いている。向井さんのカバーはアコエレでやるのも、ザゼンでやるのもとても好きだ。ザゼンファン仲間の友達とこの件を話していて、二人揃って驚いたのが向井さんがサカナクションライブ配信を見ていたことだった。久しぶりにアコエレも見に行きたいねと話す。

蛇足だが、一番好きなサカナクションの曲は「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」である。絶妙にダサい歌詞に80年代ディスコサウンドのようなメロディで風見しんごがダンスフロアでブレイクダンスをキメていても納得できる、そんな曲だ。

君は週末恵比寿の

ここでしか会えない他人

 

僕は東京生まれのフリをして

踊りながら待ってるのさ

歌詞だけでうわぁーーダセェ〜〜ってなるのに、メロディがのるとすごくいい!カッチブーだぜ、一郎となるのだ。計算して「いい感じにダサい」に落とし込んでいるんだろうと思う。リキッドが歌舞伎町にあった時代だと成立しなかった曲だと思う。恵比寿に移転し、イキっているリキッドを現している感。一郎天才だな!となるのだった。

ノマドランド』がアカデミー作品賞を受賞した。今のところ今年*3観た中では一番好きな作品なので嬉しい。高齢者の貧困問題の側面もあるから重く受け止める必要があるのだが、根無草のように暮らしていくことを是とする物語。どうせ自己責任、自助って言うだろ?だから俺たちは自由に生きてやる、お前らに期待しないその代わり俺たちに期待するなという意思もあるように感じた。少々説明的すぎる嫌いがあるが、合間に流れるブルースもいい。

観た映画つながりで『ミナリ』は逆に根をおろす作品。韓国人が年間数万人単位で渡米しているし、韓国野菜を育てたらワンチャンあるぜからスタートする物語だった。おばあちゃん役のユン・ヨジョンさん*4が登場してから物語が動き出していく。立て膝上等で花札が好きなガサツなばあちゃん。アメリカで生まれ育った子がアジア人の年寄りの匂いに対して過敏になる描写とか実際そうなんだろうなぁって思った。おばあちゃん、苦手といいながらも受け入れていくさまもよい。アカデミー助演女優賞受賞後のユン・ヨジョンさんのインタビューがどれも秀逸で食い入るようにチェックしている。

幡野広志さんのcakesがまた炎上した。編集部がうんこなのはもとより、ひとりの大人として疑問を持たずに軽く回答した幡野氏本人もいかがなものかと思う。

ブコメにも書いたが、相談者の友達は上間陽子さんの著書『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』に出てくる少女そのものだった。本の中の少女らには上間さんという救いがあった。親身になって話を聞き、寄り添ってくれるそういう大人の存在。しかし、当該少女にはまだいない。実在少女からの相談だとしたらcakesのような未熟で軟派な媒体が安易に触れていいいものではない。

相談者の友達の交際相手の少年もまた被害者なのではないかという意見もあった。類似事例が上間さんの近著『海をあげる』にある。前著で加害者として登場する少年のバックグラウンドが『海をあげる』で明かされ、彼自身も被害者だったと判明するのだ*5。被害者だからといって、彼のやったことが許されるわけではない。けれども・・となってしまうのだ。

この2冊を読むと少年少女らの現実が雹のように降り、その雹が痛みを感じるほどにグサグサと心に刺さってくる。インターネットで度々話題になる社会階層を現実にある事実だと理解できるようになるだろう。だからこそ、人生相談に答える以上は読むべきだと思い、ブコメで幡野氏に購入をすすめたが、万人にぜひ読むべきだと安易におすすめできる本ではない。読後、心を保てない可能性が大きいからだ。

件の回答に対して「これはこれでアリだと思う」という意見には全く賛同できなかった。相談者はずっと見守ってきたけどなんとかできないかと思いつめて大人に相談したんじゃないのか?氏の回答は「そばにいてあげればよい」。それってこの相談者がずっとやってきたことじゃないかよ。回答読んだら「あっはい」としか思えないだろう。相談者の悩みが振り出しに戻っているし、相談者の気持ちは報われないし、被害少女が救われることもない。

*1:画像データでは3つの括弧と字になっている

*2:クローズドな場でキャッキャウフフやっている場所というイメージがある

*3:まだ大して見ていない

*4:韓国の樹木希林さんと言われているらしい

*5:それが普通という世界で生きているから被害者という自覚が本人にない