業種的には当たり前のことなのだが、今年はとくに忙しかった。思い出もほぼ仕事のことのみ。このブログはそんな日々のぼやきとして書いている。逃避だ。当然ながらお正月休みなんぞない。うまそうなピザを食いにいったり、よさそうなスイーツを食べに行ったり、高級ホテルに出かけることなんぞできない*1。今年の遠出は全て出張だった。ビジネスで利用しているが、当然ながらビジネスクラス乗りましたなんてこたぁない*2。当たり前にエコノミーで移動し、北海道や九州へも行くが、時間帯によっては日帰りということも。
今年は健康診断にすらいけなかった。あまりに出張が続いたときやコロナで引きこもりがちになったときはちょいちょい精神を病んだ。とある増田が人間なんか太陽光を浴びれば元気になる単純な生き物だと言っていたので来年は積極的に陽の光を浴びたい。
ポップコーンを自由に食べられない映画館に行くなんて嫌じゃ!となって映画もあまり観に行かなかった。そんな中、観に行ってよかったと思った作品が『行き止まりの世界に生まれて』。ラストベルト地域の若者のドキュメンタリー。監督は当事者でもある中国系アメリカ人の若者。彼がスケートボードの仲間たちに密着した作品だ。友人がDV加害者になっていることをありのままに写したり*3、黒人の友人の苦悩をすくい取り、さらに自分自身のトラウマと向き合うとかなり濃密な作品。
日本で暮らしているとスケートボードがファッションアイコンのように感じてしまうが、アメリカの貧困地域の若者たちにとってはそれが現実逃避するためのツールなのだ。スケートボードを滑っている時だけは現実の嫌なことを忘れることができる。期せずして、日本国内でほぼ同時公開となった『mid90s』ともリンクするし、女子二人組が主人公の『ブックスマート』とはアメリカの若者の光と陰として対をなす。もちろん『行き止まりの世界に生まれて』が陰だ。
本は何と言っても衝撃的だったのが琉球大教授である上間陽子さんのエッセイ『海をあげる』だ。冒頭の「美味しいごはん」を読み、言葉を失った。増田で不倫が話題だが*4、不倫をする側にとってその行為はドラッグ的というブコメを読み、なるほどと思う。しかし「美味しいごはん」を読むにつけ、脳内処理がうまくできない。こんなことってあるの?なんで加害者が被害者ぶるのって思ってしまうのだ。色々な人がいると頭でわかっても受け入れることができない難しさ。沖縄差別について率直に書かれたものもあり、私が今いる地点からできることを微力ながらやっていきたいと思った。
なお、今年飼ってよかったものは猫。2匹目を迎え入れた*5。幸い先住猫の懐が深く、新入りをあっさり迎え入れてくれた。先住猫は甘え下手になっていたがここにきて、甘えていいんだと学んだようである。