ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

うちの猫はキレイです!

キャットタワーでまどろむ猫を抱き上げ、キャットウォークへ連れ出した。猫の不機嫌スイッチがオンになり、猫パンチを食らう。当たりどころ悪く目の下が切れてしまった。

血が出る。そんな感覚があり、消毒しなきゃと洗面所へ急ぎ、患部を水で洗い流す。しばらくしたら血がたらーっと滴り落ち、とめどなく流れ出る。それを見ていたら痛いような気がしてきた。ひとまず皮膚科の先生にもらっていた塗り薬を患部に塗り、絆創膏を貼る。

顔への傷だし、病院に行こうと皮膚科を調べるも休日診療中なのか判断がつきにくく、#7119に電話し、医療機関を紹介してらもらう。教えてもらった皮膚科に電話をし、傷の症状を説明すると形成外科案件ですと説明を受けた。改めて#7119に電話をし、形成外科を紹介してもらうと大学病院や総合病院のみ。

持病で定期的に通っている大学病院に行った方が勝手知ってて楽かもと思い、問い合わせると運良く形成外科医が当直していて対応可能とのこと。30分くらいで行きますと伝えて出発。

電車で乗り換える際、メンタルやられる系の当たり屋に遭遇してしまう。わたしはリュックで出かけ、前に背負っていたものを車内で背負ったら後ろに立っていた女性にリュックの紐が当たったそうだ。それに対して「お前のキッタネー紐がわたしに当たった」と言われ、それは申し訳ありませんでした。そう謝るも「キチガイ」と罵られる始末。どっちがキチガイなんだよ…。とちょっと辟易し始めるもなぜか電車のホームでは後を追われて文句を言いつづけられ、これどうすりゃいいんだよと思う。小走りで逃げ、なんとか追い払う。診察中泣くかもな、なんて思いながら病院へ向かう。

病院に着くと救急外来の受付にて事務員のパワハラ関係を目の当たりに。なんなのよ!となりながら受付をしてもらう。読みかけの本を読みながら診察を待つ。看護師さんに呼ばれ、診察室に入り、問診を受けている最中、主治医の先生をお見かけする。「あっ!A先生!こんにちは」と言うと「何でいるの!?」から軽く雑談し、また次回の診察にと笑い合う。看護師さんが「A先生と言ったからひょっとしてと思ったんですよ」と笑顔で話しかけてくる。私は「まさか会えると思えませんでした!嬉しいです」そう返した。

しばし待ったのち、形成外科医の診察。猫パンチを食らった時間を説明し、横になって治療を受ける。傷口をスポイトのようなものでジャーっと洗浄しながら治療方針について説明をする先生。縫う方が傷跡がなくなるが、「猫は汚い」から菌が繁殖してほぼ化膿し、完治までかなりひどい状態になってしまう。塗り薬で治療する場合、傷跡が少し残るけど、完治までの経過は良好。

正直どっちでもいいなーと思いつつ答えようとしたら先生が「鏡で傷の確認をして答えてもらったほうがいい。Bさん(問診を担当してくれた看護師さんの名前)、手鏡の準備を」という。テンション高く手鏡を探しに行くBさん。

しかし、待てど暮らせど来ないBさんと手鏡。その間も先生が脱脂綿で血を拭ってはかえるを繰り返しているので「そんな血って出るもんなんすか?」と聞く。すると目には眼輪筋なる筋肉があって〜と語り始める。筋肉がある箇所は血量が多くなるそうだ。

諸々会話を終え「この待ち時間がもったいないですねぇ」ボソッという先生。「家で傷口を洗っているときに深さ見ているんで最悪鏡見なくてもいいすよ」と言うと「そういうわけには行きません!(キリッ」。

業を煮やし「Bさん、Bさ〜ん」と叫ぶも反応なし。「看護師さん、看護師さ〜ん」と叫ぶと、周囲の看護師さんが全員反応し「はーい!(様々な声)」笑ってしまう。「めっちゃ返事してるじゃないすか!」思わず突っ込むと先生も苦笑。笑っていたら「あっなんか笑ってるぅ」と看護師のBさんがやってくる。「鏡ありませんでしたスマホでいいですか?」とBさんのスマホを借りて傷口を見る。

もっと大きな傷なら縫う方を進めるが、小さいので塗り薬でもいい。「猫は汚い」から猫からの傷はほぼ完治までに化膿して痛々しい感じになってしまう。仕切りに「猫は汚い」というのでおもむろに「うちの猫はキレイです!」と言いそうになる。その気持ちを抑えながら塗り薬で治すことを選択。なるべくキレイに治るように傷の周りを整理してくれることに。しかし、処置の最中にうっかり動き叱られた。

保険効くから破傷風の注射をすすめられ、打つことに。2回目までは保険が効くらしい。1回でもいいんですか?と聞くと、1回でもいいけど保険効くから2回打った方がお得だと力説。治療後の自分を鏡で見たら想像以上にやばいやつ感があり、おもむろに写メを撮り友達に送ると「マスクでわかりにくいからよかった」素っ頓狂な返信に笑う。マスクしててもわかるわ。

メンタルやられる系の当たり屋の一件で、ふさぎこんでしまうかと思ったし、傷残るかもしれないのに治療中の出来事が想像以上に可笑しくてこの病院に来るのを選んで良かったなぁなんて思う。

治療を終え、予約していた映画に5分遅れくらいで到着できると思い出かける。見た映画は『はちどり』。すれ違い。理不尽。人生のままならなさ。何が起こるかわからない不安を抱えながら生きる。今の私が観るべき映画だった。