ハイク以上の長文

ブクマはやばいよ、スターを押しな、スターを。

よくある家族の風景

家族の関係にはいろいろな形がある。円満な家庭があればそうじゃない家庭だってある。ただ一般家庭から皇室に嫁いだ美智子妃は自分で子育てし、普通の家族を目指した。そんな思いとは裏腹に皇室の家族関係はとかく神聖なものであるかのように捉えられているように思う。

極論を言えば赤い血が流れるヒトであるに違いなく。違いと言ったら皇室の人たちに自由がなく、言いたいことが言えないくらいなもの。言葉を選びながら発言したとして、その真意は他者に伝わりにくく言いたいことの半分も言えていない。喉元まででかかった言葉を何度も何度も飲み込んでいるのではないかと思う。

私は徳仁が皇太子時代に雅子妃を慮って発言した「雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」はマスコミに対するもの、一部国民に対するものも含まれていたと思っている。徳仁天皇に即位する前までの雅子妃は男児を産めない嫁など要らぬと書かれたり、「ロイヤルニート」と揶揄されたりもしていた。さらに徳仁には側室が必要だと言うようなものまであったし、愛子様自閉症というものまであった。

そんな中、ひとりの女性が婚約を発表した。

彼女は天皇に即位するまでの叔父一家が、主にインターネットでどのような言われ方をしていたかをよく知っていたろう。皇室がサンドバッグになっていることも、言いたいことを言えない窮屈さもよく知っていたし、その気持ちをわかってくれるのも自分の家族や親族くらいしかいないとよくよく知っていた。

しかし、本当のことを知りもしない週刊誌が知ったふうなことを言う*1。叔父と父、祖父が不仲だとか。同様に叔母と母、祖母が不仲だとも。

想像でしかないが、そういった「本当のことを知らないくせに」と言う思いをずっと抱えてきたとしたら、ずっと堪えて堪えて出たくて出たくて仕方なかったんじゃないだろうか?

そこいらの人ならSPなんかいなくてもマックにいってポテトを食えるし、スタバに行ってフラペチーノを飲める。深夜におやつが食べたいと思ったらコンビニに行って買うことができる。小腹空いたなつってあんまんを食いながら歩いても何も言われやしない。立ち飲みでかけつけ一杯だってできちゃう。そんな自由が欲しかった。注目なんかされたくなかった。自分のことを話のネタになんてして欲しくなかった。

婚約後、彼女に対するもの、お相手に対するものには辟易した。部外者が嫌な気持ちになるくらいだから当事者は言わずもがなである。相手の親の金銭問題をもとに自分の子が結婚するとなったら反対するのが当然という意見が多く見受けられた。

そんな発言をした方たちに問いたい?子自身にも、その相手にも非がないのに自分の子がこんな悪様に言われるのはどう思う?こんなふうに追い込まれている状況の方がよほど嫌じゃないか?

お相手についてわかっているのは名前と顔くらいなのに、味方の振りをして「胡散臭い」などと書くのもいかがなもんかと思った。そんなことを言ったらそれを身分不詳のIDで書いているお前も、ここでこんなことを書いている私だってよほど胡散臭い存在なのである。一方の彼はといえば、彼自身として表に立ち、言葉を述べている。

結婚会見に対して二人が幼いだとバカ言え。30歳であぁいった振る舞いができる彼らは真の大人だよ。30歳だったときのお前にそれができたか?少なくとも私にはできない。今だって私は相当に危うい。

実家を出発するときの彼女と妹さんとのそれは家族の風景だった。あの両親が、あの家族が育んできたものを物語っていたと思う。画面の向こうには、私の親が築き上げてきたのと同じ、よくある家族の風景があった。

*1:つい最近、戸田恵梨香水川あさみが自分たちに対する報道に抗議していた